のびデグ研究室
デグーは仲間の「怖い」を感じ取る?観察から危険を学ぶ社会性
「一匹が何かに驚いた瞬間、ほかのデグーまで一斉に警戒し始めた」 多頭飼いをしていると、そんな様子を見たことがある方もいるのではないでしょうか。 一匹が突然動きを止めると、近くにいたデグーも立ち止まったり、警戒するような鳴き声が聞こえると、周囲の子たちまで落ち着かなくなったり。 デグーは仲間と関わりながら生活する社会性の高い動物です。 そして研究では、デグーがほかの個体の恐怖反応を観察することで、自分自身もその状況を「危険なもの」として学習できることが確認されています。 今回は、そんなデグーの「仲間の感情から学ぶ力」についてご紹介します。 自分が怖い経験をしなくても危険を学べる 野生で生活する動物にとって、危険を早く察知することはとても重要です。 自分自身が天敵に襲われてから危険を覚えるのでは遅いこともあります。 そこで役に立つのが、仲間の反応です。 近くにいる仲間が突然逃げたり、体を固くしたり、警戒するような鳴き声を出した場合、 「自分にはまだ何も起きていないけれど、ここには危険があるかもしれない」 と判断することができます。 デグーを対象にした研究では、ほかのデグーが不快な刺激を受けている様子を観察した個体が、後から同じ場所に戻された際に恐怖反応を示すことが確認されました。 つまり、自分自身が同じ経験をしていなくても、仲間の反応を見ることで危険を学習できるのです。 知らないデグーより仲間の反応を参考にする? さらに興味深いのが、「誰が怖がっているか」によって反応が変わる可能性があることです。 研究では、普段一緒に生活しているデグーと、見知らぬデグーを観察した場合が比較されています。 その結果、条件によっては、普段一緒に暮らしている個体の恐怖反応を観察したデグーのほうが、強く恐怖を学習する傾向が見られました。 デグーにとって、ただ「誰かが怖がっている」というだけではなく、 「いつも一緒にいる仲間が怖がっている」 ということが重要な情報になっている可能性があります。 鳴き声も危険を伝える手がかり デグーは非常に多くの鳴き声を使い分ける動物として知られています。 恐怖学習について調べた研究でも、観察されていたデグーの鳴き声と、見ていたデグーの恐怖学習との関連が調べられています。 その結果、単純に特定の種類の鳴き声が「怖い」という意味を持つというよりも、鳴き声が発せられる時間的なパターンが、観察しているデグーの学習と関係している可能性が示されました。 私たちには同じような声に聞こえていても、デグー同士では鳴くタイミングや間隔などから細かな情報を受け取っているのかもしれません。 これが「感情伝染」なの? 動物行動学では、ある個体の感情状態が周囲の個体にも影響する現象を「感情伝染」と呼ぶことがあります。 恐怖や緊張のような状態が、ほかの個体の行動や感情状態に影響する現象です。...
デグーは仲間の「怖い」を感じ取る?観察から危険を学ぶ社会性
「一匹が何かに驚いた瞬間、ほかのデグーまで一斉に警戒し始めた」 多頭飼いをしていると、そんな様子を見たことがある方もいるのではないでしょうか。 一匹が突然動きを止めると、近くにいたデグーも立ち止まったり、警戒するような鳴き声が聞こえると、周囲の子たちまで落ち着かなくなったり。 デグーは仲間と関わりながら生活する社会性の高い動物です。 そして研究では、デグーがほかの個体の恐怖反応を観察することで、自分自身もその状況を「危険なもの」として学習できることが確認されています。 今回は、そんなデグーの「仲間の感情から学ぶ力」についてご紹介します。 自分が怖い経験をしなくても危険を学べる 野生で生活する動物にとって、危険を早く察知することはとても重要です。 自分自身が天敵に襲われてから危険を覚えるのでは遅いこともあります。 そこで役に立つのが、仲間の反応です。 近くにいる仲間が突然逃げたり、体を固くしたり、警戒するような鳴き声を出した場合、 「自分にはまだ何も起きていないけれど、ここには危険があるかもしれない」 と判断することができます。 デグーを対象にした研究では、ほかのデグーが不快な刺激を受けている様子を観察した個体が、後から同じ場所に戻された際に恐怖反応を示すことが確認されました。 つまり、自分自身が同じ経験をしていなくても、仲間の反応を見ることで危険を学習できるのです。 知らないデグーより仲間の反応を参考にする? さらに興味深いのが、「誰が怖がっているか」によって反応が変わる可能性があることです。 研究では、普段一緒に生活しているデグーと、見知らぬデグーを観察した場合が比較されています。 その結果、条件によっては、普段一緒に暮らしている個体の恐怖反応を観察したデグーのほうが、強く恐怖を学習する傾向が見られました。 デグーにとって、ただ「誰かが怖がっている」というだけではなく、 「いつも一緒にいる仲間が怖がっている」 ということが重要な情報になっている可能性があります。 鳴き声も危険を伝える手がかり デグーは非常に多くの鳴き声を使い分ける動物として知られています。 恐怖学習について調べた研究でも、観察されていたデグーの鳴き声と、見ていたデグーの恐怖学習との関連が調べられています。 その結果、単純に特定の種類の鳴き声が「怖い」という意味を持つというよりも、鳴き声が発せられる時間的なパターンが、観察しているデグーの学習と関係している可能性が示されました。 私たちには同じような声に聞こえていても、デグー同士では鳴くタイミングや間隔などから細かな情報を受け取っているのかもしれません。 これが「感情伝染」なの? 動物行動学では、ある個体の感情状態が周囲の個体にも影響する現象を「感情伝染」と呼ぶことがあります。 恐怖や緊張のような状態が、ほかの個体の行動や感情状態に影響する現象です。...
デグーのパパも子育てする?父親が赤ちゃんに与える大切な影響
「デグーの赤ちゃんって、ママだけが育てているの?」 そう思っている方も多いかもしれません。 哺乳類では、母親が子育ての中心になる種類が多く見られます。しかしデグーは、母親だけでなく父親も赤ちゃんのお世話に関わる「両親育児」を行う動物として研究されています。 実際に、デグーの父親は赤ちゃんに寄り添ったり、体を舐めたり、遊び相手になったりすることが確認されています。 今回は、そんな「パパデグーの子育て」についてご紹介します。 デグーの父親は赤ちゃんのお世話に参加する デグーの親子関係を観察した研究では、父親も子どもとの接触に積極的に関わっていることが分かっています。 確認されている行動には、 赤ちゃんに体を寄せる「ハドリング」 赤ちゃんの体を舐めたりグルーミングする 赤ちゃんと遊ぶ 離れた赤ちゃんを戻すような行動 などがあります。 つまりデグーの父親は、ただ近くにいるだけではありません。 赤ちゃんに触れたり、一緒に行動したりしながら、日常的に親子の関係を作っています。 研究によっては、生後間もない時期の親子間の関わりのうち、父親によるケアが全体の約4割近くを占めていたという報告もあります。 父親との触れ合いは「刺激」のひとつ 赤ちゃんにとって、親に舐めてもらったり、体を寄せてもらったり、一緒に遊んでもらったりすることは、単なる「お世話」だけではありません。 体への触覚刺激や社会的なやり取りは、成長途中の脳にとって大切な環境刺激のひとつです。 デグーでは、父親と一緒に育った子と、父親のいない環境で育った子を比較した研究も行われています。 その結果、父親がいない環境で育ったデグーでは、前頭前野をはじめとする脳の一部で、神経細胞の枝分かれやシナプス形成に違いが見られることが報告されています。 「父親がいない=必ず問題が起きる」ではない ここで注意したいのは、 「父親がいないデグーは正常に育たない」 という意味ではないということです。 研究では父親の有無によって脳の発達過程に違いが見られていますが、その影響は脳の部位や年齢によって異なります。 若い時期には差が見られても、大人になるにつれて差が小さくなる部分もあります。 一方で、成長後まで違いが残る部位が報告された研究もあります。 つまり、父親から受ける社会的な刺激が発達に関係している可能性は高いものの、その影響は単純に「父親がいれば良い、いなければ悪い」と分けられるものではありません。 ママがその分たくさんお世話する?...
デグーのパパも子育てする?父親が赤ちゃんに与える大切な影響
「デグーの赤ちゃんって、ママだけが育てているの?」 そう思っている方も多いかもしれません。 哺乳類では、母親が子育ての中心になる種類が多く見られます。しかしデグーは、母親だけでなく父親も赤ちゃんのお世話に関わる「両親育児」を行う動物として研究されています。 実際に、デグーの父親は赤ちゃんに寄り添ったり、体を舐めたり、遊び相手になったりすることが確認されています。 今回は、そんな「パパデグーの子育て」についてご紹介します。 デグーの父親は赤ちゃんのお世話に参加する デグーの親子関係を観察した研究では、父親も子どもとの接触に積極的に関わっていることが分かっています。 確認されている行動には、 赤ちゃんに体を寄せる「ハドリング」 赤ちゃんの体を舐めたりグルーミングする 赤ちゃんと遊ぶ 離れた赤ちゃんを戻すような行動 などがあります。 つまりデグーの父親は、ただ近くにいるだけではありません。 赤ちゃんに触れたり、一緒に行動したりしながら、日常的に親子の関係を作っています。 研究によっては、生後間もない時期の親子間の関わりのうち、父親によるケアが全体の約4割近くを占めていたという報告もあります。 父親との触れ合いは「刺激」のひとつ 赤ちゃんにとって、親に舐めてもらったり、体を寄せてもらったり、一緒に遊んでもらったりすることは、単なる「お世話」だけではありません。 体への触覚刺激や社会的なやり取りは、成長途中の脳にとって大切な環境刺激のひとつです。 デグーでは、父親と一緒に育った子と、父親のいない環境で育った子を比較した研究も行われています。 その結果、父親がいない環境で育ったデグーでは、前頭前野をはじめとする脳の一部で、神経細胞の枝分かれやシナプス形成に違いが見られることが報告されています。 「父親がいない=必ず問題が起きる」ではない ここで注意したいのは、 「父親がいないデグーは正常に育たない」 という意味ではないということです。 研究では父親の有無によって脳の発達過程に違いが見られていますが、その影響は脳の部位や年齢によって異なります。 若い時期には差が見られても、大人になるにつれて差が小さくなる部分もあります。 一方で、成長後まで違いが残る部位が報告された研究もあります。 つまり、父親から受ける社会的な刺激が発達に関係している可能性は高いものの、その影響は単純に「父親がいれば良い、いなければ悪い」と分けられるものではありません。 ママがその分たくさんお世話する?...
デグーは仲間を失うとどうなる?社会的なつながりと「別れ」のストレス
「ずっと一緒にいた子がいなくなってから、なんだか元気がない」 「いつも一緒に寝ていた相手がいなくなって、以前より静かになった気がする」 多頭飼いをしていると、仲間との別れをきっかけに、残されたデグーの様子が変わったように感じることがあります。 私たち人間から見ると、「仲間がいなくなって寂しいのかな」「悲しんでいるのかな」と考えてしまいますよね。 では、本当にデグーは仲間との別れに影響を受けるのでしょうか? デグーは非常に社会性の高い動物として知られており、研究でも仲間との社会的なつながりや、分離されたときのストレス反応について調べられています。 今回は、デグーにとって「仲間がいること」がどれほど重要なのかについてご紹介します。 デグーは仲間との強いつながりを作る動物 デグーは野生でも仲間と関わりながら生活する社会性の高い動物です。 一緒に休んだり、グルーミングをしたり、鳴き声でコミュニケーションをとったりと、日常の多くの場面でほかの個体と関わっています。 研究においても、デグーは社会的な愛着や分離によるストレスを研究する動物として注目されています。 特に幼いデグーでは、母親や家族から離されたときに鳴き声が増えたり、離された相手を求めるような行動が見られることが報告されています。 つまりデグーにとって仲間は、単に「同じ場所に住んでいる相手」ではありません。 普段から関わり続けることで、その個体との社会的な関係が作られていくと考えられています。 仲間と離れることで行動が変化することも デグーを対象とした研究では、社会的な分離や長期間の単独環境によって、行動だけではなく脳機能にも変化が生じることが報告されています。 社会的な環境が変化すると、新しい場所での行動や活動性、学習・記憶に関係する機能などに影響が見られることがあります。 そのため、長く一緒に生活していた仲間が突然いなくなることは、デグーにとって決して小さな環境変化とは限りません。 家庭で飼育されているデグーでも、仲間がいなくなったあとに、 以前より静かになったように感じる。 鳴き方や鳴く回数が変わる。 仲間がいた場所を気にする。 活動量が変化する。 食欲がいつもと違う。 といった様子に飼い主さんが気付くことがあります。 ただし、これらすべてを「悲しんでいるから」と決めつけることはできません。 環境の変化によるストレスや生活リズムの変化など、さまざまな要因が関係している可能性があります。 「人間と同じ悲しみ」とはまだ言い切れない 仲間との別れによってデグーの行動が変わったとき、私たちはつい「悲しいんだ」と考えたくなります。 実際、デグーが強い社会的なつながりを形成し、分離に対してストレス反応を示すことは研究されています。...
デグーは仲間を失うとどうなる?社会的なつながりと「別れ」のストレス
「ずっと一緒にいた子がいなくなってから、なんだか元気がない」 「いつも一緒に寝ていた相手がいなくなって、以前より静かになった気がする」 多頭飼いをしていると、仲間との別れをきっかけに、残されたデグーの様子が変わったように感じることがあります。 私たち人間から見ると、「仲間がいなくなって寂しいのかな」「悲しんでいるのかな」と考えてしまいますよね。 では、本当にデグーは仲間との別れに影響を受けるのでしょうか? デグーは非常に社会性の高い動物として知られており、研究でも仲間との社会的なつながりや、分離されたときのストレス反応について調べられています。 今回は、デグーにとって「仲間がいること」がどれほど重要なのかについてご紹介します。 デグーは仲間との強いつながりを作る動物 デグーは野生でも仲間と関わりながら生活する社会性の高い動物です。 一緒に休んだり、グルーミングをしたり、鳴き声でコミュニケーションをとったりと、日常の多くの場面でほかの個体と関わっています。 研究においても、デグーは社会的な愛着や分離によるストレスを研究する動物として注目されています。 特に幼いデグーでは、母親や家族から離されたときに鳴き声が増えたり、離された相手を求めるような行動が見られることが報告されています。 つまりデグーにとって仲間は、単に「同じ場所に住んでいる相手」ではありません。 普段から関わり続けることで、その個体との社会的な関係が作られていくと考えられています。 仲間と離れることで行動が変化することも デグーを対象とした研究では、社会的な分離や長期間の単独環境によって、行動だけではなく脳機能にも変化が生じることが報告されています。 社会的な環境が変化すると、新しい場所での行動や活動性、学習・記憶に関係する機能などに影響が見られることがあります。 そのため、長く一緒に生活していた仲間が突然いなくなることは、デグーにとって決して小さな環境変化とは限りません。 家庭で飼育されているデグーでも、仲間がいなくなったあとに、 以前より静かになったように感じる。 鳴き方や鳴く回数が変わる。 仲間がいた場所を気にする。 活動量が変化する。 食欲がいつもと違う。 といった様子に飼い主さんが気付くことがあります。 ただし、これらすべてを「悲しんでいるから」と決めつけることはできません。 環境の変化によるストレスや生活リズムの変化など、さまざまな要因が関係している可能性があります。 「人間と同じ悲しみ」とはまだ言い切れない 仲間との別れによってデグーの行動が変わったとき、私たちはつい「悲しいんだ」と考えたくなります。 実際、デグーが強い社会的なつながりを形成し、分離に対してストレス反応を示すことは研究されています。...
デグーは仲間の「怖い」を感じ取る?群れの中で広がる感情と社会性
「一匹が何かに驚いた瞬間、ほかのデグーたちまで一斉に警戒し始めた」 多頭飼いをしていると、そんな光景を見たことがある方もいるのではないでしょうか。 一匹が突然立ち止まると、ほかの子も動きを止めたり、一匹が警戒するような鳴き声を出すと、周囲のデグーたちも緊張した様子を見せたり。 デグーは非常に社会性の高い動物で、仲間の行動や鳴き声から周囲の状況を読み取っています。 研究では、仲間が感じている「怖い」という状態が、ほかのデグーの行動にも影響することが確認されています。 今回は、そんなデグーの「感情伝染」や「観察による恐怖学習」についてご紹介します。 仲間の反応から「危険かもしれない」と判断する 野生動物にとって、危険をできるだけ早く察知することは命に関わります。 自分自身が天敵を見つけてから逃げていては、間に合わないこともあります。 そこで社会性のある動物にとって重要になるのが、仲間の反応です。 近くにいる仲間が突然警戒したり、逃げたり、警戒音を出した場合、 「自分にはまだ見えていないけれど、何か危険があるかもしれない」 と判断することができます。 デグーでも、こうした仲間の反応を利用して危険を学習することが研究されています。 仲間が怖がる様子を見るだけで学習する デグーを使った研究では、別のデグーが不快な刺激を経験している様子を観察した個体が、その後、その場所や状況に対して恐怖反応を示すことが確認されています。 つまり、自分自身が同じ怖い経験をしていなくても、 「仲間がここで怖がっていた」 という情報から危険を学ぶことができるのです。 さらに興味深いのが、相手との関係性です。 研究では、見知らぬデグーよりも、普段一緒に生活している仲間が恐怖を経験している様子を見た場合のほうが、観察していたデグーに強い恐怖学習が見られました。 デグーにとって「誰が反応しているか」ということも重要なのかもしれません。 「感情伝染」とは? 動物行動学では、ある個体の感情状態が、ほかの個体の状態や行動に影響する現象を「感情伝染」と呼ぶことがあります。 例えば、一匹が強く警戒することで、周囲の仲間たちも警戒状態になるような現象です。 これは人間のように、 「この子はいま怖い気持ちなんだ」 と頭の中で言葉にして理解しているという意味ではありません。 仲間の動き、姿勢、鳴き声、匂いなど、さまざまな情報を受け取り、それによって自分自身の行動や感情状態が変化していると考えられています。 そのため「人間と同じ共感能力がある」と断定することはできませんが、仲間の状態に強く影響を受ける社会性を持っていることは、デグーの大きな特徴のひとつです。...
デグーは仲間の「怖い」を感じ取る?群れの中で広がる感情と社会性
「一匹が何かに驚いた瞬間、ほかのデグーたちまで一斉に警戒し始めた」 多頭飼いをしていると、そんな光景を見たことがある方もいるのではないでしょうか。 一匹が突然立ち止まると、ほかの子も動きを止めたり、一匹が警戒するような鳴き声を出すと、周囲のデグーたちも緊張した様子を見せたり。 デグーは非常に社会性の高い動物で、仲間の行動や鳴き声から周囲の状況を読み取っています。 研究では、仲間が感じている「怖い」という状態が、ほかのデグーの行動にも影響することが確認されています。 今回は、そんなデグーの「感情伝染」や「観察による恐怖学習」についてご紹介します。 仲間の反応から「危険かもしれない」と判断する 野生動物にとって、危険をできるだけ早く察知することは命に関わります。 自分自身が天敵を見つけてから逃げていては、間に合わないこともあります。 そこで社会性のある動物にとって重要になるのが、仲間の反応です。 近くにいる仲間が突然警戒したり、逃げたり、警戒音を出した場合、 「自分にはまだ見えていないけれど、何か危険があるかもしれない」 と判断することができます。 デグーでも、こうした仲間の反応を利用して危険を学習することが研究されています。 仲間が怖がる様子を見るだけで学習する デグーを使った研究では、別のデグーが不快な刺激を経験している様子を観察した個体が、その後、その場所や状況に対して恐怖反応を示すことが確認されています。 つまり、自分自身が同じ怖い経験をしていなくても、 「仲間がここで怖がっていた」 という情報から危険を学ぶことができるのです。 さらに興味深いのが、相手との関係性です。 研究では、見知らぬデグーよりも、普段一緒に生活している仲間が恐怖を経験している様子を見た場合のほうが、観察していたデグーに強い恐怖学習が見られました。 デグーにとって「誰が反応しているか」ということも重要なのかもしれません。 「感情伝染」とは? 動物行動学では、ある個体の感情状態が、ほかの個体の状態や行動に影響する現象を「感情伝染」と呼ぶことがあります。 例えば、一匹が強く警戒することで、周囲の仲間たちも警戒状態になるような現象です。 これは人間のように、 「この子はいま怖い気持ちなんだ」 と頭の中で言葉にして理解しているという意味ではありません。 仲間の動き、姿勢、鳴き声、匂いなど、さまざまな情報を受け取り、それによって自分自身の行動や感情状態が変化していると考えられています。 そのため「人間と同じ共感能力がある」と断定することはできませんが、仲間の状態に強く影響を受ける社会性を持っていることは、デグーの大きな特徴のひとつです。...
デグーは自分の子じゃなくてもお世話する?血縁を超えた興味深い養育行動
「この赤ちゃん、自分の子じゃないのにどうしてグルーミングしているの?」 デグーを複数で飼育していたり、親子の様子を見たことがある方なら、大人のデグーが赤ちゃんに寄り添ったり、舐めるような行動をしている姿を目にしたことがあるかもしれません。 デグーは社会性が高く、仲間同士でさまざまなコミュニケーションをとる動物として知られています。 そして研究では、自分と直接的な血縁関係にない幼いデグーに対しても、大人のデグーが友好的な行動を示すことが報告されています。 今回は、そんなデグーの「赤ちゃんへの接し方」についてご紹介します。 知らない赤ちゃんへの反応は動物によって違う 動物だからといって、目の前に赤ちゃんがいれば必ず優しくお世話をするわけではありません。 げっ歯類でも種類や状況によって反応は異なり、自分の子ではない幼体にあまり関心を示さない場合や、場合によっては警戒することもあります。 つまり、「赤ちゃんだから無条件にお世話する」という行動は、すべての動物に共通しているわけではありません。 そんな中、デグーでは少し興味深い行動が研究されています。 血縁のない赤ちゃんにも友好的な行動 実験では、生まれて間もない幼いデグーと、それまで接触したことのない成体のデグーを対面させ、その反応が観察されました。 すると成体のデグーには、 赤ちゃんを舐めるような行動をする。 体を寄せたり、覆うように接触する。 赤ちゃんの鳴き声に反応して近づく。 といった友好的な行動が確認されています。 もちろん、これだけで人間のように「この子を育ててあげよう」と考えていると解釈することはできません。 それでも、自分の子ではない幼体に対して積極的な接触を行うことは、デグーの社会性を考えるうえで非常に興味深い行動です。 オスのデグーにも見られる行動 さらに注目したいのが、こうした反応がメスだけに限られないことです。 研究では、成体のオスのデグーも、血縁関係のない幼いデグーに対してグルーミングなどの友好的な接触を示すことが報告されています。 哺乳類では母親が子育ての中心になる種類も多いため、成体のオスが幼体に積極的に接する行動は、デグーの社会性を知るうえで興味深い特徴のひとつです。 デグーは野生でも単独で生活するのではなく、複数の仲間と関わりながら暮らしています。 そのため、親子だけではなく、群れの仲間同士でさまざまな社会的な関係を持つことが、こうした行動につながっている可能性があります。 なぜ自分の子ではない赤ちゃんに接するの? デグーが血縁関係のない幼体にも友好的に接する理由については、単純に「群れを守るため」と一つの理由だけで説明できるものではありません。 しかし、デグーにとって仲間との関係は非常に重要です。 野生では仲間同士でコミュニケーションをとりながら生活し、周囲の個体との関係を維持しています。 そのような社会性の中で、幼い個体に対しても攻撃ではなく接触やグルーミングといった行動が現れることは、デグーが持つ社会的な性質の一端だと考えられます。...
デグーは自分の子じゃなくてもお世話する?血縁を超えた興味深い養育行動
「この赤ちゃん、自分の子じゃないのにどうしてグルーミングしているの?」 デグーを複数で飼育していたり、親子の様子を見たことがある方なら、大人のデグーが赤ちゃんに寄り添ったり、舐めるような行動をしている姿を目にしたことがあるかもしれません。 デグーは社会性が高く、仲間同士でさまざまなコミュニケーションをとる動物として知られています。 そして研究では、自分と直接的な血縁関係にない幼いデグーに対しても、大人のデグーが友好的な行動を示すことが報告されています。 今回は、そんなデグーの「赤ちゃんへの接し方」についてご紹介します。 知らない赤ちゃんへの反応は動物によって違う 動物だからといって、目の前に赤ちゃんがいれば必ず優しくお世話をするわけではありません。 げっ歯類でも種類や状況によって反応は異なり、自分の子ではない幼体にあまり関心を示さない場合や、場合によっては警戒することもあります。 つまり、「赤ちゃんだから無条件にお世話する」という行動は、すべての動物に共通しているわけではありません。 そんな中、デグーでは少し興味深い行動が研究されています。 血縁のない赤ちゃんにも友好的な行動 実験では、生まれて間もない幼いデグーと、それまで接触したことのない成体のデグーを対面させ、その反応が観察されました。 すると成体のデグーには、 赤ちゃんを舐めるような行動をする。 体を寄せたり、覆うように接触する。 赤ちゃんの鳴き声に反応して近づく。 といった友好的な行動が確認されています。 もちろん、これだけで人間のように「この子を育ててあげよう」と考えていると解釈することはできません。 それでも、自分の子ではない幼体に対して積極的な接触を行うことは、デグーの社会性を考えるうえで非常に興味深い行動です。 オスのデグーにも見られる行動 さらに注目したいのが、こうした反応がメスだけに限られないことです。 研究では、成体のオスのデグーも、血縁関係のない幼いデグーに対してグルーミングなどの友好的な接触を示すことが報告されています。 哺乳類では母親が子育ての中心になる種類も多いため、成体のオスが幼体に積極的に接する行動は、デグーの社会性を知るうえで興味深い特徴のひとつです。 デグーは野生でも単独で生活するのではなく、複数の仲間と関わりながら暮らしています。 そのため、親子だけではなく、群れの仲間同士でさまざまな社会的な関係を持つことが、こうした行動につながっている可能性があります。 なぜ自分の子ではない赤ちゃんに接するの? デグーが血縁関係のない幼体にも友好的に接する理由については、単純に「群れを守るため」と一つの理由だけで説明できるものではありません。 しかし、デグーにとって仲間との関係は非常に重要です。 野生では仲間同士でコミュニケーションをとりながら生活し、周囲の個体との関係を維持しています。 そのような社会性の中で、幼い個体に対しても攻撃ではなく接触やグルーミングといった行動が現れることは、デグーが持つ社会的な性質の一端だと考えられます。...
デグーは「見張り役」をする?群れで暮らすデグーの興味深い社会性
多頭飼いをしていると、 「みんながごはんを食べているのに、なぜか一匹だけ周りを見ている」 「高い場所に登って、じっと辺りを確認している」 そんな姿を見たことはありませんか? もちろん、飼育下で見られるすべての行動が野生での「見張り」と同じとは限りません。 しかし、野生のデグーを研究した報告では、群れの中の一部の個体が周囲を警戒するような行動をとることが確認されています。 今回は、そんなデグーの興味深い社会性についてご紹介します。 デグーは群れで生活する動物 デグーは、野生では仲間と関わりながら生活する社会性の高い動物です。 一緒に行動したり、鳴き声でコミュニケーションをとったり、仲間との関係を保ちながら暮らしています。 そしてデグーの群れでは、エサを探す個体とは別に、周囲を警戒するような行動をとる個体が観察されています。 仲間がエサを探している間に周囲を警戒 野生では、食事をしている最中も天敵など周囲の危険に注意しなければなりません。 研究で観察されたデグーの群れでは、他の個体がエサを探している間に、一部の個体が高い場所などから周囲を確認する行動が見られました。 高い位置にいることで周囲を見渡しやすくなり、危険を早く察知できる可能性があります。 つまり、群れ全体が同じ行動をしているのではなく、 「エサを探す個体」と「周囲を警戒する個体」 のように、異なる行動をとる場面があるということです。 エサよりも警戒を続けることも さらに興味深いのが、周囲を警戒している個体の行動です。 研究では、エサを利用できる状況であっても、すぐに食べることより警戒行動を続ける個体が観察されています。 デグーにとって食事はもちろん大切です。 それでも状況によっては、食べることよりも周囲を確認する行動が優先されることがあるのです。 こうした行動からも、デグーが周囲の仲間と関わりながら生活していることがうかがえます。 同じ個体が警戒する傾向も さらに研究では、警戒行動をとる個体が完全にランダムに決まるわけではなく、特定の個体が繰り返しその行動をとる傾向も観察されています。 すべてのデグーの群れで必ず同じような役割分担が行われる、とまでは言い切れません。 しかし、個体によって群れの中でとりやすい行動が異なる可能性があることは、デグーの社会を考えるうえでとても興味深いポイントです。 デグーは「一緒にいるだけ」ではない デグーの魅力は、ただ複数の個体が同じ場所で生活することだけではありません。...
デグーは「見張り役」をする?群れで暮らすデグーの興味深い社会性
多頭飼いをしていると、 「みんながごはんを食べているのに、なぜか一匹だけ周りを見ている」 「高い場所に登って、じっと辺りを確認している」 そんな姿を見たことはありませんか? もちろん、飼育下で見られるすべての行動が野生での「見張り」と同じとは限りません。 しかし、野生のデグーを研究した報告では、群れの中の一部の個体が周囲を警戒するような行動をとることが確認されています。 今回は、そんなデグーの興味深い社会性についてご紹介します。 デグーは群れで生活する動物 デグーは、野生では仲間と関わりながら生活する社会性の高い動物です。 一緒に行動したり、鳴き声でコミュニケーションをとったり、仲間との関係を保ちながら暮らしています。 そしてデグーの群れでは、エサを探す個体とは別に、周囲を警戒するような行動をとる個体が観察されています。 仲間がエサを探している間に周囲を警戒 野生では、食事をしている最中も天敵など周囲の危険に注意しなければなりません。 研究で観察されたデグーの群れでは、他の個体がエサを探している間に、一部の個体が高い場所などから周囲を確認する行動が見られました。 高い位置にいることで周囲を見渡しやすくなり、危険を早く察知できる可能性があります。 つまり、群れ全体が同じ行動をしているのではなく、 「エサを探す個体」と「周囲を警戒する個体」 のように、異なる行動をとる場面があるということです。 エサよりも警戒を続けることも さらに興味深いのが、周囲を警戒している個体の行動です。 研究では、エサを利用できる状況であっても、すぐに食べることより警戒行動を続ける個体が観察されています。 デグーにとって食事はもちろん大切です。 それでも状況によっては、食べることよりも周囲を確認する行動が優先されることがあるのです。 こうした行動からも、デグーが周囲の仲間と関わりながら生活していることがうかがえます。 同じ個体が警戒する傾向も さらに研究では、警戒行動をとる個体が完全にランダムに決まるわけではなく、特定の個体が繰り返しその行動をとる傾向も観察されています。 すべてのデグーの群れで必ず同じような役割分担が行われる、とまでは言い切れません。 しかし、個体によって群れの中でとりやすい行動が異なる可能性があることは、デグーの社会を考えるうえでとても興味深いポイントです。 デグーは「一緒にいるだけ」ではない デグーの魅力は、ただ複数の個体が同じ場所で生活することだけではありません。...